【怖い話・怪談】学校からの帰り道をつけてくる赤猫の恐怖の真実
学校のチャイムが鳴り響き、帰宅の時間が近づいていました。
子供たちは教室を飛び出し、家路につく中、小さな足音だけがホールを反響させながら残っていました。
窓の外では赤い毛並みをした猫が、何かを伺うようにじっと立っています。
この猫、実は学校付近では有名でした。
普段は人懐こく、近くに佇む子供たちにちょっかいを出すことが好きなのですが、夕暮れ時になるとその様子が一変します。
この日もまた、ひとり残った子供が教室を出ると、赤猫が静かにつけ始めたのです。
子供は気付かず、家に向かっていました。
しかし、その猫の目はただ歩く子供を追うだけではありませんでした。
時折、周りを見渡し、何か警戒するような仕草を見せるのです。
家路を急ぐ足が少し早まり、子供は背後の気配を意識し始めました。
不安が顔に出る中、猫は依然として黙って子供の後をついていく。
段々とその視線の重さが感じられるようになり、子供の心臓は激しく打ち始める。
ついに子供は我慢の限界を超え、家の門を駆け抜けたのでした。
振り返ることもせず、家の中へと飛び込む。
ドアの音が大きく、その響きが周囲に散らばる中、赤猫はじっとその家を見上げていた。
この赤猫の正体、それは教師でも親でも子供でもありません。
実は昔、この地域で事故に遭いながらも見捨てられた猫の霊でした。
保護を求めて人間に近づくも、毎回恐れられてしまう。
そしてこの赤猫の霊は、ただただ彼の死を知り、慰めを与えてくれる人間を探していたのでした。
