【怖い話・心霊】トイレの窓の向こう: 恐怖の目撃体験
あれは私が大学生だった頃のことです。友人たちとのキャンプ旅行で、私たちは山奥にある古びたキャビンに泊まることになりました。山の中、自然に囲まれたその場所は美しい景色と平和な雰囲気で知られていましたが、その平和さの陰に不可解な怪奇現象が潜んでいたことを私たちは後で知ることになります。
初日の夜、私たちは星空の下、焚き火を囲みながら怖い話を語り合っていました。友人たちの話はどれも面白く、笑い声と緊張感が交錯していました。しかし、その中で一つの話が特に恐ろしく、私たちを震え上がらせることになります。
友人の一人、ユウキが不気味な微笑みを浮かべながら言いました。「このキャビンには、トイレの窓の向こうに現れるものがいるという話を聞いたことがあるんだ。」
私たちは興味津々でユウキの話を聞きました。彼は続けました。
「その窓の向こうには、死者の魂が幽霊として住んでいると言われている。そして、その幽霊は窓越しに現れ、人々を見つめているんだ。」
友人たちはざわめきながら、ユウキの話を聞いていました。私も不安と興奮が入り混じった気持ちで、彼の話に耳を傾けていました。
「それだけじゃないんだ。幽霊は時折、窓ガラスに手を伸ばし、人々を呼び寄せようとするんだ。」
ユウキの言葉に、私たちは恐怖を感じました。しかし、まだ信じがたい出来事として受け止めていました。それから、怖い話を続けながら時間が過ぎ、私たちは眠りにつきました。
深夜、私は何かが違うことに気付きました。トイレに行くため、キャビンの中を歩いていると、友人たちの寝息が聞こえないことに気付いたのです。トイレに入り、用を足すことができましたが、帰り道、窓に何かが映り込むのを見ました。
窓の向こうに、薄暗い光で照らされた女性の顔が現れました。彼女は青白く、目は虚ろで、窓越しに私を見つめていました。その時、私は衝撃と恐怖で声も出せず、そのまま立ち尽くしていました。
そして、窓ガラスに幽霊の手が伸びてきたのです。手は透明で、私の方に向かって伸びてきました。私は怯えながらも、その手を感じることはありませんでしたが、窓ガラスに指で軽くタッチされたような感覚がありました。
突然、友人たちの声がキャビンから聞こえてきました。私は怖い出来事から逃れるようにトイレから出ましたが、その後、友人たちに何があったのか尋ねても、彼らは何も覚えていないと言いました。
キャンプ旅行が終わり、私たちはキャビンを後にしましたが、私の心にはその夜の恐怖の体験が深く刻まれました。トイレの窓の向こうに現れた幽霊の存在は、私の中で永遠に忘れることのできないものとなりました。