【怖い話・怪談】神社のご神木を傷つけた男性に起こった恐怖体験
薄暗い夜、ふとした思いつきで近くの古い神社に足を運んだ男がいた。若さゆえの無謀さだろうか、彼はその場で一本の立派なご神木にナイフを突き立ててしまう。彼の行動にはなんの意味もなく、ただの悪ふざけ。だがその瞬間、空気が張り詰め森全体が微かに震えたかのように感じられた。
男は苦笑しながら自宅に戻るが、その夜から奇妙な出来事が彼を襲い始める。寝ても覚めても感じる視線、いくら閉めてもこじ開けられる窓、そして耳元で囁かれるかのような古い言葉たち。理性を保とうとした彼だが、夜ごとに訪れる異変は彼の心をじわじわと食い荒らしていった。
ある晩、深い眠りに落ちかけた刹那、彼の部屋に一条の青白い光が射し込む。目を開けると、ご神木から流れ出るかのような輝きが部屋中に広がっていた。震える手で光をたどると、その先にはご神木に彫り込まれた自らの罪を示すような影が。
男は神社へ謝罪に行くことを決心するも、翌日には行方不明となってしまう。以来、あの神社のご神木には誰も近寄らず、地元の人々は口を揃えて「神様は侮るべからず」と語るのだった。
