【怖い話・怪談】山で人を遭難させる恐怖の悪霊の実話
山は美しく、神秘的な自然が広がる場所。しかし、その裏には言い伝えられない恐ろしい出来事が隠されていることもある。
ある静かな山村に伝わる実話がある。その村は昔から登山者がしばしば失踪し、時には遺体すら見つからないことで知られていた。そんな中、一人の若者が体験した恐怖の話が語り継がれている。
若者は熟練の登山家であり、その山には何度も挑戦していた。ある日、彼は再び山へと向かう。天気は良く、順調に山を登っていたが、突如として濃霧に包まれた。方向感覚を失った彼は、古びた木製の標識にたどり着く。不気味に揺れるその標識に導かれるように、未知の小径を歩き始めた。
足元は険しく滑りやすく、周囲の木々はまるで生き物のように動いているように見えた。彼の背後に何かの気配を感じる度に振り返るが、そこにはただの森が広がるだけ。それでも彼は遭難した他の人々の悲鳴を耳に取るかのように感じ、不安が増していた。
日が落ちると共に寒気が山を覆い、若者は恐怖に駆られながら必死に下山を試みた。夜の山はさらに生き物の動きを感じさせ、息遣いすら聞こえてくる。道が見えない暗闇の中、彼は何とか脱出したが、その山には二度と足を踏み入れなかった。
後に語られることとなるこの怪談。山が人を遭難させるかのような悪意を秘めた出来事は、今もなおその地で囁かれ続けている。読んだ者には、深い森の中、自分がその恐怖を体験しているかのような恐怖心を植え付けるのである。