怖い話と怪談まとめ

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【怖い話・怪談】裏拍手で呼び覚ましたある亡霊の話

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【怖い話・怪談】裏拍手で呼び覚ましたある亡霊の話

【怖い話・怪談】裏拍手で呼び覚ましたある亡霊

夏のある日、長い一日が終わり、静かな夜に包まれた。みな既に眠りにつき、窓外には虫の声だけが響く。だが、その平穏が砕ける出来事が、ある一軒の家で起きていた。

家の中心である和室。そこに、年老いた祖母が孫と共に座っていた。二人は、ろうそくの灯りを前にした遊び「裏拍手」に興じていた。裏拍手は簡単な遊び。片方が目を瞑り、もう片方が拍手をする。目を閉じた人が拍手の方向を当てれば勝ち、というものである。

祖母が目を閉じ、孫がそっと拍手をした。だが、祖母は方向を見事に間違えてしまう。笑いながら孫が正解を教える。しかしその時、二人しかいないはずの部屋で、別の方向から拍手音が響いた。冗談かと思いきや、空間には不穏な空気が流れ始める。

勇気を出して振り返ると、そこには何も見えない。ただし、もう一度、裏かる日の角から拍手が。今度はもっと近く、まるで耳元で叩かれたような勢いだった。畳の上で孫が凍りつく。何者かがいる、しかもこの部屋に。祖母も顔を蒼白にし、孫の手を引いて部屋から逃げ出すことを決めた。

ところがドアに手をかけた瞬間、背後から三度、力強い拍手が。きっと今にもその何者かが襲いかかるような、強烈な恐怖が二人を襲った。逃げることなど考えられず、ただ硬直するしかなかった。長い沈黙の後、祖母がそっと囁く。「これは、あの世からの招待状かもしれないね」。

その夜以来、二人は夜が来るたびに恐怖に慄いている。それとも、もはやこの世にはいないのか。誰にもわからない。ただ一つ確かなのは、裏拍手の遊びには何かが潜んでいるということだ。そしてそれがもし次あなたの番になったとき、あなたは恐怖の裏拍手にどう向き合うだろうか。