【怖い話・怪談】お墓の肝試しの後に起こった自宅に帰る時の夜道の怪奇現象
夏の夜、心霊スポットとして知られる古びた墓地での肝試し。友人たちとの絆を深めようとしたはずが、その晩僕らを待ち受けていたのは誰も予期せぬ恐怖の体験だった。お墓での不気味な雰囲気を笑い飛ばして家路につくも、妙な重苦しさが皆の心を離れない。
家に着くまでの道のりで起こったことは今でも忘れられない。周囲は静まり返り、ただ足元の砂利が踏まれる音だけが異様に大きく響いていた。街灯がぽつんと点在する道を歩く足取りは、何故か次第に重く感じられてきた。
不意に背後から重い息を感じ、振り返るとそこには誰もいない。一体何が起きているのか、理解することができずに怯える。それから間もなく、遠くから葬式の鐘のような音が聞こえてきた。時間を告げる時計塔はこの辺りにはないはずだが、その音は確かに墓地の方角から響いている。
震える手を抑えながら急ぎ足になるも、何故か目的の自宅が遠ざかる錯覚に陥る。周囲の景色が歪み、見覚えのない風景が飛び込んでくる。息苦しさに襲われながら何とか家にたどり着いたとき、背後からやっと重い空気が解放された気がした。
だが、その晩以来、家の明かりが不自然にちらつくなど、些細な異変が続いている。肝試しの夜、何かを招いてしまったのかもしれない。
