【怖い話・怪談】振り向いたらいけない登り坂で後ろを見た少年に起こった恐怖

ある地方に伝わる、振り向いてはならない登り坂の伝説。そこを登る際、何があっても後ろを振り返ってはいけないと言われている。一人の好奇心旺盛な少年がその坂道を試すことに。夜が更けると共に、少年はそっと一歩を踏み出した。周囲は静寂に包まれており、暗闇がすべてを覆い隠していた。心拍数が上昇し、冷たい汗が体を伝う。しかし、少年は勇敢に歩を進めた。

坂を上がるにつれて、耳障りな声が囁くが如く、後ろから聞こえてきた。それはまるで、誰かが少年を呼び止めるような、不気味な低い声。だが、少年はその呼び声には耳を貸さず、必死に前を向き続けた。そんな中、少年の心の奥底で、恐怖が渦を巻き始める。

歩を進めるごとに、呼び声はますます強く、耐え難いほどに苛立たしいものとなっていった。ついに、少年の意志は折れ、禁を破り後ろを見ることに。背後に目をやったその瞬間、何もいないはずの空間から、黒く染まった不定形の影が現れ、少年を覆い尽くそうと迫った。

恐怖で凍りついた少年は足が竦み、地面に倒れ込んだ。影はゆっくりと少年に近づき、その黒さが少年の身体を包み込む。目の前が完全に暗闇に包まれた時、少年は気を失った。意識が戻った時、少年は自宅のベッドの上だったが、何も覚えていない。

その後、少年は夜道を歩くことが怖くなり、人が変わったように大人しい性格になったという。恐怖を知らしめるその登り坂は、今も多くの人を震え上がらせている。