怖い話と怪談まとめ

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【怖い話・怪談】集落に出没する恐怖のしろやぎ伝説

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【怖い話・怪談】集落に出没する恐怖のしろやぎ伝説

【怖い話・怪談】集落に出没する恐怖のしろやぎ伝説

山間の集落に伝わる一つの言い伝えがある。白い毛皮を持つ山羊が、月夜の夜に現れると、何らかの不幸が訪れるという。ある冬の晩、厳しい寒さと共に現れたのは、真っ白な毛をした山羊。でも、ただの山羊じゃない。目を見開いたその瞳は、どこか人間のそれを思わせる。何かを訴えかけるように、じっとこちらを見つめてくるのだ。

静寂を切り裂くように、山羊は一声も鳴かない。ただ、そこにいるだけで空気が変わる。震える手を抑えながらも、住人たちは山羊が去るのを待ちわびる。しかし、勇気ある者が近づき、山羊に触れようとするや否や、その生き物は煙のように消え去った。あとには凍えるような冷気と、言い知れぬ不安だけが残る。

その夜から、集落では奇妙なことが起こり始めた。人々は一人また一人と失踪し、果ては音もなく息を引き取る者も出た。白い山羊が現れる夜、またひとつ災いが訪れると、集落の人々は密やかに囁く。あの山羊は一体何者なのか? なぜ不幸が続くのか?

禁忌とされた山の奥深く、白山羊の後を追う者など今までにはいなかった。あまりにも多くの怖れと、尋常ならざる事態に翻弄される心理が、迷信を信じざるを得ない空気を作り上げる。冷たい風が吹き抜ける中で、今宵もまた白い山羊の姿が見え隠れする。それは慈悲なるものか、否か。その答えは闇の中に消えてしまった。