怖い話と怪談まとめ

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【怖い話・怪談】ヴィジュアル系ロックバンドに起こったファンの恐怖の怨念

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【怖い話・怪談】ヴィジュアル系ロックバンドに起こったファンの恐怖の怨念

【怖い話・怪談】ヴィジュアル系ロックバンドに起こったファンの恐怖の怨念

深夜のライブハウスは異様な熱気に包まれていた。薄紫色の照明が揺らめき、ヴィジュアル系ロックバンドのメンバーが、その斬新な衣装でステージに登場する。ファンの絶叫に混じり、微かに聞こえる不穏な囁き。誰もがその夜、ただのライブと思い楽しんでいたが、後にその場に宿る怨念に気付く者が出る。

あるファンがいた。その子は、バンドへの恋心と嫉妬心を抱えながらも、毎回最前列でヘドバンを続けていた。しかし、バンドメンバーの一人に彼女がいることを知り、その場で倒れてしまう。彼女の命は、その熱狂の中で静かに途絶えていった。

その後、バンドのライブ中に奇怪な現象が発生し始める。アンプから不意に叫び声が聞こえたり、演奏が止まらなくなったり。ある時はメンバーの影がステージ上で複数に分かれ、まるで何かに取り憑かれたように歪む姿が見られた。特にその死したファンが最も愛していたと言われる楽曲が演奏される時、怪奇現象が極まる。

そして、あるライブの夜。フロアの最前線から、ファンが見たこともない女性の姿が目撃される。顔は青白く、目は深くほり落ちており、途方もない悲しみを秘めた表情で、無言でステージを見つめていた。彼女が立ち現れると、インターバルの空間が氷のように冷たくなり、観客たちの息が詰まる。翌日、その女性の姿が無くなると、まるで解放されたかのように、ライブハウスの空気が一変した。バンドメンバーたちは後に、その夜を最も恐怖を感じたライブと語り継いでいる。恋と嫉妬と恨みが渾然一体となった怨念が、あの世とこの世の間で、今もなおさまよい続けているのだろうか。