【怖い話・怪談】山ガールを襲ったある恐怖の山小屋の話
高い山に挑戦するのが最高の幸せで、今日も自然に抱かれる喜びを求めて山に登った。彼女をとりまく森はむせ返る緑、野生の息吹が溢れていた。
太陽が雲に隠れ始め、彼女は歩みを速めていた。途中、古ぼけた山小屋を見つける。予定外の雨。選択肢は限られ、彼女は少しの躊躇を振り払いその山小屋で夜を明かすことに決めた。
木々がさえずりながらも、不吉な静寂が周囲を包む。扉を開けた瞬間、古い木の床が嫌な音を立てて歓迎する。部屋の隅には、毛布にくるまれた何かが。見た目は人間の形をしていたが、動かない。その姿に恐怖は頂点に達した。
彼女の手は震え、呼吸は荒くなり、口からは声がうまく出ず。目を逸らし寝袋に入る。深夜、風は強くなり、山小屋は嘆きのように悲鳴を上げた。死んだはずの毛布の中から何かが動いた気配。彼女は恐れを抱え、一晩中目を閉じることも許されなかった。
翌朝、太陽の光が小屋を照らし、山は再び静かな顔を見せる。彼女は毛布をめくる決心をする。しかし中から現れたのは、かつてこの山を愛した他の登山者の遺体だった。
絶望とともに山を下り、彼女は二度とあの山小屋のことを語ることはなかった。だが語り継がれる恐怖の物語は、次の訪れる者へと伝わっていく...。
