【怖い話・怪談】日蓮宗に大昔から伝わる怨霊に呪われた僧侶の一生

かつて日蓮宗の寺に一人の僧侶がいた。彼の名は既に時の流れに忘れ去られているものの、その悲惨な一生は人々の間で語り継がれてきた。彼が若く熱心な修行僧だった頃のこと、禁じられた降霊術に手を染め、その野望が招いたのは、恐るべき怨霊の呪いであった。

彼の周りでは次々と不可解な出来事が起こり始めた。閉じたはずの扉が突然勝手に開いたり、不気味な涼気が肌に触れる感覚に苛まれたり。彼はそれでも降霊術への挑戦をやめようとはせず、呪いは日に日に強く降りかかっていった。

夜毎、僧侶の眠りを妨げる異形の影が現れるようになる。その形状は人のそれではあるが、どこか間違っており、表情は悲しみと怒りに歪んでいた。僧侶は仏に祈りを捧げたものの、怨霊は容赦なく彼を苦しめ続けた。

ついには他の僧たちもその呪いの影響を感じ取るようになり、寺全体が混乱に陥った。そんな中、僧侶は最期の試みとしてある秘儀に挑もうとしたが、その夜、寺は悲鳴と共に震え、翌朝、僧侶の姿はもはやこの世にはなかった。

体は見つからず、ただ床には焦げた跡と彼が用いたとされる秘儀の道具が残されていた。この出来事から何年もの年月が流れたが、その僧侶の霊は時折、寺や周辺の森で目撃されるという。呪いから逃れられずにさまよっているのか、はたまた他の者へ憎悪を続けているのか…。寺に伝わる怨霊に呪われた僧侶の物語は戦慄の度を増して今も語り継がれている。