【怖い話・心霊】おじいさんの無念が宿った呪われた遺品
昔々、ある村に住むおじいさんが亡くなり、その遺品の中から不思議な彫刻が見つかった。この彫刻はおじいさんが生前、何かに取り憑かれるように作り続けていたものだった。村人たちは、その彫刻にはおじいさんの無念が宿っていると噂していた。
ジョンという若者がその彫刻を手に入れたとき、彼はただの古い工芸品だと思っていた。しかし、彼が彫刻を自宅に持ち帰った夜から、奇妙なことが起こり始めた。
「この彫刻、なんだか気味が悪いね」とジョンの妻が言った。ジョンは笑って「大丈夫だよ、ただの古い物だから」と答えた。しかし、その夜、彼らの家の中には冷たい風が吹き、奇妙な音が聞こえてきた。
ジョンは夜中に目を覚ましたとき、彫刻がぼんやりと光っているのを見た。「これは一体...？」と彼は囁いた。その瞬間、彫刻からおじいさんの顔が現れ、彼に何かを訴えかけるように見えた。
翌日、ジョンは彫刻を家から遠ざけようとしたが、彫刻は重くなり、動かすことができなかった。その夜、彼と妻は彫刻の周りで不可解な囁き声を聞いた。「私の無念を晴らせ」という声だった。
日が経つにつれ、彼らの家は不幸な出来事に見舞われ続けた。彫刻の近くにいると、頭痛やめまいがするようになり、家の中には常に冷たい風が吹いていた。
ついにジョンは村の長老に相談しに行った。「これはおじいさんの怨念が宿った彫刻だ」と長老は言った。「彼の無念を晴らすためには、彫刻をおじいさんの墓に戻さなければならない」。
ジョンは長老の言葉に従い、彫刻をおじいさんの墓に戻した。その夜、彼らの家には平和が戻り、不幸な出来事はなくなった。しかし、この出来事はジョンと妻の心に深く刻まれ、彼らは二度と遺品を軽んじることはなかった。
この話は後に村中に広まり、おじいさんの彫刻は「呪われた遺品」として恐れられるようになった。それ以来、村人たちは遺品には特別な注意を払うようになり、亡くなった人の遺品には敬意を持って接するようになったのだった。
