【怖い話・心霊】札幌の西岡公園で人を追いかける人魂の恐怖
札幌の西岡公園、その静謐な木々の間には、人知れず恐ろしい秘密が隠されている。夜になると、不気味な人魂が現れ、訪れる者を追いかけるという噂があるのだ。
「本当にここで、人魂が出るのかな？」友人の疑問に対して、僕は半信半疑だった。しかし、その夜、僕たちはその恐怖を肌で感じることになる。
公園に足を踏み入れると、一面の木々が月光に照らされていた。不気味な静けさが、僕たちの周りを包み込む。
「なんだか、気味が悪いね…」友人の声が震えている。その時、遠くの茂みから何かが動く音が聞こえた。
ふと、一つの光が木々の間を漂うのが見えた。「あれ、何だろう…？」と僕が言うと、その光は突如として動き出し、僕たちの方へと近づいてくる。
「うわっ、何だあれは！？」友人が悲鳴を上げる。光はまるで意思を持っているかのように僕たちを追いかけ始めた。それはまさに人魂だった。
僕たちは恐怖に駆られて走り出す。人魂はしつこく、迅速に僕たちを追いかけてくる。木々の間を縫うように漂うその光は、不気味なほどに僕たちに迫ってくる。
「早く、ここから出なきゃ！」友人が叫ぶ。しかし、どこを走っても人魂は後を追ってくる。その間、公園の奥深くから不気味な声や笑い声が聞こえてくる。まるで、他の何かが僕たちを観察しているようだ。
息が切れ、足がもつれ始める。人魂の光は、どんどん僕たちに近づいてくる。その光の中には、かすかに人の顔が見えるような気がした。苦悶に満ちた、悲痛な表情をしている。
「助けて…」という声が、人魂から聞こえる。その声は絶望に満ちていて、僕たちの心に深く刺さる。
ついに、人魂は僕たちのすぐそばまで迫る。その瞬間、人魂は爆発するように輝き、強烈な光が僕たちを包み込む。
目を閉じると、ふと全てが静かになる。恐る恐る目を開けると、人魂の姿はなく、ただ静寂が戻っていた。僕たちは震えながらも立ち尽くし、何が起こったのか理解しようとする。
その夜以降、僕たちは西岡公園を訪れることはなくなった。あの人魂の正体は何だったのか、その光の中の顔は誰だったのか、答えは永遠に謎のままだ。しかし、あの夜の恐怖だけは、僕たちの記憶に深く焼き付いている。
その後、僕たちは地元の人々から聞いた。西岡公園には昔、ある悲劇が起こったという。不慮の事故で亡くなった人の魂が、彷徨い続けているのだと。
「もしかして、あの人魂は…」友人の言葉に、僕は深く頷く。あの夜、僕たちが見たものは、ただの幻ではなく、過去の悲しい出来事の名残だったのかもしれない。
日が経つにつれ、僕たちの中の恐怖は薄れていったが、あの人魂の姿は決して忘れることができない。夜の公園を歩くたびに、あの不気味な光が僕たちを追いかけてくるのではないかという恐怖がよみがえる。
あの人魂が何を伝えたかったのか、なぜ僕たちを追いかけたのか、その真意は永遠の謎として残る。しかし、あれは警告だったのかもしれない。忘れ去られた魂の存在を、僕たち生者に思い出させるための。
西岡公園のその事件は、僕たちにとって忘れられない記憶となった。夜の静寂の中で、時折思い出されるあの人魂の光。それは、過去に起こった悲劇を忘れてはならない、という無言のメッセージのように感じられる。
札幌の西岡公園での、あの人魂にまつわる恐怖の体験は、ただの都市伝説ではなく、僕たちにとっては深い教訓となった。人々が忘れ去った歴史の一片が、時には不思議な形で現れることを、僕たちは身をもって知ったのだ。
