【怖い話・怪談】職場のいじめが引き起こした不思議な恐怖体験
ある会社に新しく入社したA子は、同僚から理不尽ないじめを受けていた。陰口、仕事の妨害、無視など、日々苦痛に耐えていた。彼女のデスクはエアコンの風が直撃する場所だった。他の社員たちは、冷たい風を避けるためにデスクの位置を変えたが、A子だけが移動させてもらえなかったのだ。
そんなある日、A子の席の上から冷気が漂い始めた。エアコンの調整も役に立たず、A子の周りだけが異常に冷え切っていく。その寒さは次第に彼女だけでなく、周囲にも感じられるほどになってきた。夏の暑さの中、A子の席だけが霜が降りそうな雰囲気に包まれていた。
ある晩、A子は遅くまで残業をしていた。ふと見ると、自分の席に見覚えのない古びた人形が置かれていた。それを手に取ると、社員の一人が絶叫し、倒れた。目を覚ました彼女は、人形を持ったA子の背後に、ぼんやりとした人影が見えたと言った。
以後、人形は消え、寒気も和らいだが、A子を苛んだ同僚たちは次々と不審な行動をとるようになった。つぶやき声が聞こえてくる、影がついてくる、休憩時間に会議室から子供の笑い声がする…。いじめに加担した者たちは、次々と退職していった。
そしてA子も社を去ったあと、彼女のデスクには常に冷たい空気が漂い続け、不思議な出来事がいくつも起こった。結局、その席は永遠に空席のまま放置され、誰も座る者はいなくなった。職場のいじめが招く奇怪な現象は、本当にただの偶然だったのか…。オフィスにはいまだに沈黙した恐怖と共に、忌まわしい過去が息づいている。