【怖い話・怪談】交通事故現場の怨霊が引き起こす度重なる死亡事故

国道沿いに位置するあるカーブは、不吉な噂で有名だった。交通事故が異常に多く発生し、多くの命が奪われてきたその場所は、今では「死のカーブ」として地元民から恐れられている。

暮れ方、そのカーブを走る車の中から、嘆きの声が聞こえるという。あるときは助けを求める女性の悲鳴、あるときは惨事を予感させる不気味な笑い声。記録によれば、そこで起きた初めての大きな事故は10年前。一台の車がカーブを曲がりきれず、激しく衝突し、その中にいた人々が即死したという。以来、幾度となく事故が起こり、そのたびに無念の魂が集まるようになってしまったのだろうか。

当局が安全対策を講じたにもかかわらず、事故は絶えず、それどころか悪化する一方である。心霊研究家たちは、このカーブには亡くなった人々の怨念が強く残っており、生者を引きずり込もうとすると警告している。

薄暗い夜道を走るドライバーたちは、ふとした瞬間に前を行く人影を認め、ハンドルを切ってしまう。しかし実体のないその影は、接触することなく消え去り、恐怖に駆られた運転手は、運命のカーブで破滅を迎える。この地で耳にするすすり泣きや突然の静寂は、おそらく次なる悲劇の前兆なのかもしれない。