【怖い話・怪談】サイコパスな人間が引き起こした恐怖の事件

凍りつくような闇夜、ひっそりとたたずむ一軒家で、一つの凶行が静かに息をひそめていた。家の住人は何も知らず、平和な眠りについている。しかし、そこにひそむのは、正気を失った狂気の目をした者。異常なまでの冷静さで次々と計画を練る彼の脳内では、いわゆる人間の感情がすでに死んでいた。

この家を選んだのは偶然ではなかった。入念に選ばれた獲物ともいえるこの家族は、何も知らず、サイコパスという病に選ばれてしまったのだ。厚い壁一枚隔てた隣室で、静かに息を潜める凶器。ドアノブが少しずつ、音もなく回される。

カチャリという小さな音だけが、静寂を破る。ゆっくりとドアが開き、漆黒の闇が病みつきの笑みを浮かべながら侵入する。眠る家族に気づかれることなく、サイコパスは彼らの運命を手の中に握りしめていた。恐怖におののくこともなく、彼はただ沈黙を纏いながら翌朝の惨劇へと一歩一歩近づいていく。

薄明かりが漏れる窓から見えるのは、誰も予想しない血塗れの結末。窓際に落ちる影一つ、家の中にこだまするは絶望の叫び声。誰もが目を背けたくなる光景が、そこには広がっていた。血の色が真っ赤に、そして徐々に褪せていく中で、サイコパスの顔には満足気な微笑が浮かび上がっていた。彼の世界に恐怖は存在せず、ただ非情な興奮が渦巻いているだけ。あなたが今夜、安息を求めて目を閉じるとき、そっとあなたの扉も静かに開かれるかもしれない…。