【怖い話・心霊】ある田舎のお墓から見つかった子供の遺体が引き起こす怨霊事件
深い夜、薄霧が漂う静かな田舎町。その片隅に、古びたお墓がひっそりと佇んでいた。言い伝えによると、このお墓からは、時折不気味な声が聞こえてくるという。その声の主は、何年も前にこの地で見つかった子供の遺体だと噂されていた。
ある夜、勇敢を装うが内心おびえていた若者たちが、そのお墓を訪れることにした。「お前、本当に大丈夫か？」とトムが不安げに尋ねた。ジェイクはただ頷き、口元を歪めた。「何、大したことないさ」と答えたが、その声には震えが隠せなかった。
彼らがお墓の近くに着くと、突然、冷たい風が吹き抜けた。「ここ、やっぱりおかしいよ...」とエマが震える声でつぶやいた。その言葉を最後に、彼らは恐る恐る墓地の奥へと進んでいった。
お墓に近づくにつれ、彼らの周りは不自然な静けさに包まれた。そして、突然、小さな囁き声が聞こえてきた。「ここから出して...」という声だ。その声はまるで風に乗って彼らの耳元でささやいているようだった。彼らは凍りついた。
「誰だ、そこにいるのは！」とジェイクが叫んだが、返事はなかった。ただ、その声はどんどん強くなり、やがては痛切な悲鳴へと変わっていった。「助けて...お願い...」という声が、墓地の静寂を切り裂いた。
彼らは恐怖で固まり、動けなくなってしまった。その時、お墓の奥から、ぼんやりとした人影が現れた。それは、幼い子供の姿をしていた。その子は、彼らに向かって手を伸ばし、「ここから出して...私を...」と囁いた。
この恐怖に耐えられなくなったエマは、悲鳴を上げながら走り去った。トムとジェイクも続いた。彼らが振り返ることなくお墓から逃げ出すと、背後からはまだその子供の悲痛な声が聞こえていた。
彼らはその夜、一睡もできずに過ごした。その後も、お墓の近くを通るたびに、その子供の声が耳に残り続けた。この恐ろしい体験は、彼らの心に深く刻まれ、それ以来、誰もそのお墓に近づこうとはしなかった。
