【怖い話・怪談】家庭崩壊を引き起こした家の裏にある祠の呪い

この家が呪われたのは、誰もが幸せだったある冬の日からでした。静かな住宅街の一角にひっそりと建つ、築古の一軒家。その裏手には、古びた祠がぽつんと忘れられるように存在していました。家族は何も知らず、新しい生活を嬉々として始めたのですが、引っ越しの翌日から奇怪な現象が起こり始める。

夜な夜な、床下や壁の中から聞こえる妙なざわめき。それとは別に、家の中で遺影が倒れたり、子供たちのおもちゃが勝手に動き出すことも。父親は最初それらを気のせいだと言っていましたが、次第にその顔色は血の気を失い、深い恐怖に曝されていることが明白でした。

祖母が残してくれた古文書によると、その家の裏の祠は、かつて村で起きた惨劇の犠牲者を弔うために建てられたもの。しかし、時が流れるにつれ、その存在を知る者は少なくなり、ついには村そのものが消え、忘却の彼方へと消えていったのです。肝心の祠は、長い年月が気配を薄れさせ、家族にはただの小さな石造りとしてしか映っていなかったのです。

家族がここに越してきてから、祠の怨霊たちは新たな生け贄を求め始めました。その姿は決して人々には見えないが、その影響は着実に家庭内に広がり、笑い声は次第に消え、やがて怒号が日常と化した。不和が爆発する日も遠くはなく、何も知らないこの家族は、穏やかな生活を手に入れるどころか、悲惨な運命を辿ることになるのでした。

誰もが忘れ去った祠の、見えざる呪いによって、幾星霜の時を経てもなお苦しみを与え続ける。その家に越してきたものは、誰もがその恐怖を味わうことになるでしょう。過去を振り返る者がいなければ、この呪いは永遠に続くのかもしれません。